日本の客船シリーズvol4「氷川丸」刊行

これは良いものです

モデルアート社から刊行されているシリーズ「日本の客船シリーズ」からvol4として「氷川丸」が刊行されました。本日入手。
内容は以下の通り。

  • COLOR PROFIL COLLECTION「氷川丸」の移り変わりを側面図で振り返る。
  • トラック島に眠る平安丸
  • 各時代の運行/運行記録

著者:西村慶明氏の美麗なイラスト、写真などでビジュアル且つ資料性高い内容です。氷川丸に比べて日の当たらない平安丸・日枝丸もわりと詳細に説明されています。側面図の移り変わりには彼女たちの迷彩も掲載されています。これは嬉しいですね。

さて、いくつか気になる点を。

まず、サイズですが「日本の客船シリーズ」は今まで3冊出ていて、それはB5横長のものでした。個人的には同じサイズをコレクションしたいので、今回のサイズアップは歓迎は歓迎だけど、本音からすると厚さを増やしてもらって、同じサイズにして欲しかったです。
画像は既出が多いものの、初見のものも数枚ありますが、何でこんな有名な船なのになかなか、写真が少ないのか。確か「氷川丸」船内には多少不鮮明でも沢山の写真が豊富にあったのですから、そういうものも是非、取り上げて欲しかった。
美麗なイラストには何も言うことなく大満足です、と言いたいが。。。すみません、一言だけ。「波は塊にかいちゃ〜、イヤンん!」
行動記録は、よく調べたなと思いますが、あまり見やすいと思いません。こういうものは、巻末かあるいは途中ページで一まとめにするべきだと思います。うがった見方をすれば水増しに見えなくもない。
それと船内写真や各部写真は現在のものばかりで、そういうのは出来れば資料性も兼ねて戦前とかオリジナル状態のものを探して欲しかった。これらの解説も中途半端かもしれない。観光案内じゃないんだからw
巻末に氷川丸の一般配置図が掲載されていますが、これは山高五郎氏の「日の丸船隊史話」に掲載されているものと同じものですが、コピーライトが表示されていません。最近、画像盗用などの著作権問題がPIXIVや「星ナビ」などで大問題になっている矢先、こういう引用掲載は出展を明示するべきではないかなと思いました。
ちなみに自分は「氷川丸」の一般配置図を持っていますが、お気づきのかたもあるでしょうが、いままでこの一般配置図がまともに艦船雑誌に取り上げられるなどはされていません。なぜか、この配置図のオリジナルマイクロは歪んでしまっていて、そのためまともにトレースしてもゆがみの修正が困難なためでしょう。件の引用図面も全く同じようにゆがみをそのまま反映してしまっています。

総じて、1470円の価値はあると思いますが、なんか、個人的にはものたりないものも感じてしまったことは、告白しておこうと思います。