清帝国装甲艦「鎮遠」〜黄海の龍 第四話「日清開戦」挿絵〜

雑誌「丸」7月号掲載

5月26日発売の戦史・軍事・戦記雑誌 月刊「丸」7月号に掲載されました。
「黄海の龍〜アジア最強の戦艦「定遠&「鎮遠」一代記」(新見志郎著)の挿絵です。
今回は若き東郷平八郎が豊島沖海戦の後、清がチャーターしたイギリス商船高陞号を撃沈するシーンです。
清の陸軍兵士が多数乗り込んで東郷の船を捨てろという指示に抵抗があったりもしたのですが、開戦前の第三国商船への攻撃を、英国も一時は非難ごうごうたる問題となったのです。しかし、結局は英国自身も合法的であると認め、国際法などに沿った決然たる東郷平八郎の態度は以降称賛を浴びることになります。
現代日本の外交のふがいなさを思うと、東郷の判断は危険性はあったにせよ、見習う部分も多々あるのではないでしょうか。

丸 2012年 07月号 [雑誌]

丸 2012年 07月号 [雑誌]

【第四話の概要】
日清のくすぶる火種は朝鮮半島の内乱とその両国の干渉から急速に大きなものになっていた。清は増兵のため、陸軍兵士多数をイギリス商船高陞号を通じて輸送を企てるが、豊島沖で繰り広げられた日清艦隊の衝突「豊島沖海戦」へと突入してしまい、東郷平八郎艦長指揮の巡洋艦・浪速に捕捉される。東郷は国際法に基づき停船を強制、清陸軍兵士を認めると直ちにイギリス船員に退去を求めるが、清兵士はそれを認めないため、やむを得ず高陞号を砲撃撃沈する。一週間後、日清は開戦。
日清戦争と海軍の駆け引き、それぞれの艦隊構成と各艦の特徴を解説、そして物語は両軍会いまみえる黄海海戦への序章に入る第四話。