ドゥロス号見学記

時代の変遷をイッペンに見られました。

9日から10日にかけて、驚き桃の木山椒の木ブリキにケヤキにケンタッキーの御齢93*1の老嬢に会いに行ってきました。ギネスブックにも載るほどの現役就航中のオールドタイマー客船「ドゥロス号」です。

客船 ドゥロス号*2

【要目】(解説文より抜粋要約)
竣工:1914年8月22日進水 アメリカ ニューポート・ニュース造船所           
船籍:マルタ
総トン数:6818t
全長:130.35m
幅:16.60m
吃水:5.54m
主機:ディーゼル V18 4ストローク
出力:8100馬力 1軸 
人数:414人
貨物(書籍):1037m3(約50万冊 約100t)
乾燥食料:220m3
冷凍食料:72m3
燃料:536m3
ディーゼル油(軽油):326m3
潤滑油:50m3
飲用水:1720m3

【船歴】(解説文より抜粋要約)
1914年竣工 マロイ汽船の貨物船メディナ号として大西洋航路に就航。彼女の姉妹船、ネチェズも1914年に完成したが、彼女は1918年に衝突しデボン(イギリス)の海岸に沿って沈んだ。 メディナは、14ノットの速度があり1914年9月の最も現代的で最も大きい貨物汽船の1つと説明された。
メディナは第二次世界大戦の間、合衆国沿岸警備隊によってアメリカの西海岸沿岸警備に当たった。
1948年メディナはパナマのナヴィエラ・サン・ミゲル社に売却。 翌年、ローマに改名。上構を大幅に改造増設し、一新して乗員287人乗客数694人の旅客船となる。
1950年巡礼者をローマに輸送するのに使用され次いで、オーストラリアへの移民を運ぶがこの2番目の役割は長い間くなく船はすぐ、売りに出された。
1952年になりジャコモ・アンドレア(リナ・コスタ)に売却。フランカCと改名。
オリジナルの蒸気機関をディーゼルエンジンに換装。 イタリアとアルゼンチン間に就航し3等クラスの乗客のみ900人を一回に運んだ。
さらに1959年フランカCは一流の豪華客船に改造された。 主に地中海港周辺、黒海のクルーズに就航。後にマイアミからのクルーズ船としての先駆けとなる。
1977年スクラップヤードに繋がれていた本船をドイツの慈善団体「Gute Bücher für Alle」(Good Books for All)に見初められ、同年11月4日に獲得契約される。そして、船はDoulosに改名された。更にプールの取り外しとデッキにおける本の展示場の改造を行い、彼女の新しい役目のためブレーメン(ドイツ)へ。ここでボランティアを載せて1978年6月3日初めての航海に出た。この後、今日まで世界各国100カ国以上、600近くの寄港を行い、1800万人以上の人々が、ドゥロス号の移動本屋を訪れているとされている。
しかし、老朽化のため代替え船が就航する2010年にリタイヤされる予定。



古い客船と言えば、氷川丸とかロイヤルウィング(くれない丸)が想い出されるけど、このドゥロス号はそれらと全然経緯が違っていて、まるでつぎはぎのように構造物も内容も増築されている。
写真を見ても、ブリッジの前後のなにか不自然な雰囲気が感じられまいか。正直、美しい船と手放しでは褒められないかも。
ただ、数少ないカウンタースターンとしなやかなシアー、直立船首形状が 古き良き時代を思わせる。
そこに近代的なクレーンやレドーム、ファンネルというアンバランスさがとても興味深い。

船内ツアーに行ってみた。
まずはブリッジ。



ごらんのとおり狭い。舵輪こそ現代風の小さなハンドルだが、羅針盤、ブリッジ・テレグラフなどは使用しているみたい。
真鍮のぴかぴか光るのが印象的だった。
けど、船内インフォメーションやレーダーなどがしっかり積んであったし、ここもまた時代が錯綜している。

大きな一般図が壁一面に貼ってあった。
何に使うのかなぁ。。。

ついでギャラリーデッキへ。

後甲板

洗濯室。

救助訓練用の人形???結構気味悪く感じた。^^;

食堂。

キャビン。質素だが結構広め。

通路。この辺は古い船とはいえ、現代的な内装だ。

中甲板通路。赤い管は消火設備。

厨房。一回400食。そんなに大きくない。

いよいよエンジンルーム。

ディーゼル主機のヘッド。

その他。




ちなみに真水を作る装置を備えていないと言っていたけど????

夜のドゥロス号。


ということで、面白かったけど、翌日朝に再び外からディティールを見てやろうとしたら、14時からオープンなので岸壁に入れず断念!!
見学を当て込んだ人も溢れていて、たか〜いフェンス越しに恨めしそうにドゥロス号を眺めていたが、この辺もう少しアナウンスに力を入れて欲しいなぁと思ったり。まぁ、ボランティア?だから仕方ないけど。

ここでは、この他洋書が安く「BUILDING THE TITANIC」、ドゥロス号のペーパークラフト、キャップなどを買った。ただ、本の底部に「B」の印。
さもありなん。
全然問題ないし、なにより安い!!^^

このほか色々面白いことがあったが、これはまたの機会に。




*1:6/14訂正:97と記載していました。間違いです。ゴメンナサイ!

*2:ギリシャ語でしもべと言う意味