昨日、東京で聴いていきました。
３月１５日に「海の交響曲」演奏される！！ - 縹渺舎
全体的な印象から。
落ち着いた演奏でしたが、自分のいた席（１階右奥で一応Ｓ）が悪いのか、若干音が上方へ抜けていって前に出てこない感じがありました。これは、本日の演奏会中ずっと同じ。東京芸術劇場は初めて行ったのですが、２階席の方が音響的にはよいのかも。
色々、考察してみると、合唱を背景のひな壇に持ってくるためにステージを手前に拡張してオーケストラをそこへ持ってきているので、音響効果が変化しているのかも。
大編成のため、ステージは非常に過密で派手に聞こえて欲しい木管、金管が低い位置で埋まってしまっていたのが、また、くぐもった音の原因かもしれません。
あと、録音の定位を考えたのかも知れないが、弦の配置が左からＶｎ１＞Ｖｎ２＞Ｖｃ（Ｃｂ）＞Ｖａになっているのと、合唱が真ん中男声でそれを挟んで左右に女声という配置は、少なくても自分の居た位置では、音の分離が悪くごちゃごちゃしている原因の一つに想いました。
あと気になったのが、東響って女性の団員が多いのですね。特にVn。
やはり、ちょっと力というか迫力が足らないかと思いましたが、これも音響の悪さに起因するのだろうか。
さていおき、では各曲。
１）ヴォーン・ウィリアムスの「グリーンスリーブス幻想曲」
これは序盤の演目としては最高です。
大友氏のアインザッツが出されるやいなや、いきなり、イギリスの湖水地方の風景が広がるような感動的な美しい音場が生み出されて、陶然としました。
弦はややアンサンブルの細かい部分に難を感じましたが、ホールの響きに助けられてこの曲の幽玄な雰囲気は十分に醸し出していました。フルートは、素晴らしい演奏！
ハープをもっと全面にフィーチャーしてくれた方が、チャーミングだったのになとは、想いました。
２）メンデレスゾーンのＶｎ協奏曲
あまりにも有名すぎて、久しぶりに聴きましたが、良くできた名曲だなと再認識。
ソロは大谷康子氏。
ソロについて言うと、ちょっと線が細い感じで、音が前に聞こえてこなかったのですが、これは前述したように恐らく音響が悪い席で聴いていたためかも。
細かいパッセージがもう一つ粒立ちよければ、と想いましたが、オレンジ色の可愛らしくも優雅なドレスの大谷氏は、ちょっと愛嬌のある感じで演奏もそう言うキャラに合ったなかなか魅力的なものであったことは確かです。
オーケストラの方は、もう少しアンサンブルが明確に聞こえていればと想うことがありました。ばらついているのか、あるいは演奏しきっていないのか。
３）ヴォーン・ウィリアムス「海の交響曲」
もう、この曲を聴きに行ったわけで、ドキドキしながら最初のファンファーレを待ちました。
演奏が始まるとじわって涙が！"Behold the Sea itself!"と叫びと共に気帆走船が行き交う海原と波と輝きのパノラマが広がりました。それは演奏中ずっと目に浮かんだままでした。
それとこのホールには、立派なパイプオルガンがあるのですが、これが演奏会でどのように響くのかも楽しみでした。大友氏はばっちり聴かしてくれた！満足です。
総じて合唱が非常に迫力あって素晴らしかった！けっこう、入れ込んでいらっしゃるのかしら。
ただ、やはり言葉が明瞭に聞こえなくて、音の塊になっていたのが惜しい。縦の線を揃えるのと、少しぐらい本当の発音と違っても良いから、一個一個の言葉を明確な輪郭を取っていたほうが良かったのだけど。
Ｓｏサリー・ハリソン、Ｂａオーエン・ジルフーリーの２人は、この曲の巨大な演奏の中で凄く健闘していました。やはり静かな部分のソロになると美しかった。終楽章の後半Ｗ＋１３小節からの”Reckless O soul,exploring〜”あたりは、熱演に感動。合唱が被って来ても負けていなかった。前述したおかしな音抜け状態さえなければ、もっと良く聞こえていただろうと歯噛み。
それに関してか、
木管（とくにクラリネット）が聞こえてこないのと、ハープがもっと煌めいて聞こえていればと想うこと、Ｖｎパートが全体に弱々しく聞こえるのが、残念だった。ただ、ネットでの感想を見ると木管が良い演奏しているとの評価もあるので、これも席のせいかしら。
それにしてもチューバの熱演*1が良く聞こえていたのと、オルガンがけっこう聞こえていて、荘厳だったので非常に満足しました。
ちなみにハープやオルガンの演奏者名がプログラムに載っていないようだけど、これはあんまりだなぁ。。
是非、載せてあげて欲しい。
大友氏の指揮は、体全体を使った魅力あるものですが、見ていて、疲れないのかなぁとちょっと心配になりました。コバケンなどのガキガキした熱情的な指揮振りに比べると、スマートで優雅な感じですけど。オーケストラを頑張って鳴らそうとしているなぁと感動。指揮棒使わないのが違和感あるけど。
これから年功を経ていくとどうなって行くのか大変楽しみです。
海の交響曲、是非、また再演して欲しい！
とにかく、待ちに待っただけあって、とても満足して帰ってきました。
今年は出来るだけコンサート行きたいですねぇ。。。
*1:これ大事！（ｗ
