朝出かけるというのに目が釘付けになってしまった!
これは凄いぞ!これはひょっとして!
などと大声で騒ぎながら周囲に煩がられながら一人興奮!
曲がねぇ!トゥーランドットだよ!
編集もなかなか良くて、もう、メチャクチャ感動!
大好きな曲にのって美しい演技とテクニックに感激!本当に涙が込み上げてしまった!
重ねて日本万歳!
荒・川・静・香さま万歳!
クリス・ボイス「キャッチワールド」
ハードSFとスペオペの融合作品で恍惚
「巨大な航宙艦から百八十キロの地点でスペースタグは減速噴射にかかった。」という出だしから、もう艦隊もののスペオペっぽいし、艦船好きの琴線をくすぐられるものがある描写が多い。
最たるものは、主人公「田村」艦長が指揮する強力な航宙艦の名前が「憂国」!
ほかにも「セレステ」「リベンジ」「コトクパシー」とか。作者クリス・ボイスはスコットランド人。当然、シチュエイションに海洋冒険小説風の表現が出てくるわけだ!
で、肝心のストーリー。
木星軌道上の謎の結晶状生命体に攻撃された地球人類は、かろうじて敵を全滅したが、その際、レーザービーム通信で結晶状生命体はアルタイルへ何らかの信号を送る。その40年後、その戦闘の指揮官の息子田村は艦隊を率いて、アルタイルに向かい結晶状生命体を打ち砕くべく出撃するのだが、その各航宙艦には恐るべき陰謀がしくまれており艦隊は次々に同士討ちやトラブルで「憂国」以下2隻だけとなってしまい、乗員も次第に正体不明のウィルスにより航宙艦の機械知性MIに飲み込まれてアイデンティティーを同化されて行く。しかし、それは戦闘をより実際的にするための地球人科学者の陰謀だったのだ。
アルタイルにたどり着いた「憂国」らは攻撃を開始するが不成功。そこから「大自我」とMI、田村や他の乗組員の自我、そしてアルタイル生命体の自我ともう混沌とした精神世界の戦闘が繰り広げられてゆく。
眩暈するような複雑且つ魅力的なプロットといくつもの伏線が最後に大きな影の存在「鴉」(クロウ)との融合へと進んで行くのは、圧巻。そして全てのカラクリが明かされる終結!
センスオブワンダーが限界まで詰め込まれた傑作SF。
是非、ご賞味あれ。
ハリウッドで映画化希望!
- 作者: クリス・ボイス,冬川亘
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1981/04
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