第2番

管弦楽法の見本市のようで楽しいシンフォニー

サー・マルコム・アーノルドはイギリスはノーサンプトン1921年生まれで、9つの交響曲をはじめ多彩で格調もあるが、ウィットや楽しさに富む数々の作品を残している。この交響曲第2番を作曲したのが、1953年。どこか戦勝国らしい意気軒昂な明るい楽しさと戦争音楽っぽい暗い表情の音楽の対比を持っています。
1楽章は、チャーミングな愛らしい明るい歌の楽章。イントロでA-Bb-Cという動機が提示されますが、コレは全楽章を通じてライトモティーフとなり循環形式で全体を締めます。中間部での室内楽的な管楽器の扱いは鳥のさえずる庭園を散歩するような気持ちよさがあり、とても恍惚!シベリウスのような爽やかさが恍惚!!提示部の雄大な第一主題を歌うトランペットはとっても気分がよいだろうナァ〓!(^^)
2楽章は戦闘的でやや晦渋なスケルツォ。
アーノルドのオーケストレーションの楽しさを堪能できます。この楽章は聞いているより演奏者のほうがが楽しめそうですね!不協和音さえ楽しい。
3楽章は沈鬱でとっても暗い表情のエレジー。
アーノルドが独創的な作曲家であったのはこの楽章を聞くととても感じられるのです。水平に水平にたゆたうメロディーが紡がれ次から次へと楽器を換えて一つの大きなメロディーを形成して行くわけですが、リート形式にありがちな単純な雰囲気ではなく全体が有機的で一個のメロディーのような不思議な音楽です。不協和音による不思議な空気が呪われた古城を思わせるちょっと、オカルティックでGJ.
4楽章はアレグロコンブリオで楽しい自由で爽やかな主題とその変奏を実にめまぐるしく楽しく展開。フィナーレは壮大で気持ちの良い(吹奏楽っぽい?)エンディング。
全体は短く30分ほどですが、色々な要素や世界を楽しめるので凄い大作を聞いた気分になれる近代交響曲の傑作だと思うぞ。

手軽に手に入るCDとしてはこれが唯一か?
演奏は地味ではあるが、破綻が無く優等生的で安心して聞けますぜ。
録音もなかなか!
アーノルド:交響曲第1番, 第2番

アーノルド:交響曲第1番, 第2番