第10篇 待望の氷川丸


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待望していた外航への復帰

あの美しい太平洋を

再びどこまでも進める日が来た

ボロボロだった心臓は今や新たな鼓動で私の胸を高鳴らせる

あまり好きではなかった番号の書き込みは消え

大好きな白地に赤いリボンが 私を飾る

やがて許されなかった旗も 日の丸へと変わっていった



私は どこまでも往けた

どこまでも

どこまでも


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時の流れはいつか私を蝕んで
荒波を超えるには既に老いていた
北太平洋航路のあの険しくもやりがいのある航海
誰もが忌み嫌うであろう時化と冷たさは
いつか私には大好きな友であったのに
友とすさぶことはもう思うようではなくなってしまった。。。。。