「明日への誓い」エリザベス・ムーン著 斉藤伯好・月岡小穂 訳

ええええ?

前巻「復讐への航路」でヴァッタ一族を壊滅させた宙賊との戦いを正面切って始める、その準備を描く巻。
このシリーズは全5巻になるようで、3巻目のこの本は折り返し地点でもあるようだ。
相変わらず緻密にしかもテンポ良く(この辺のバランスは絶妙?)宙賊の謎に迫り、またその周囲状況の変化を主人公カイ、その従姉ステラ、そしてとてつもなく意外な力を秘めるグレイシー叔母さん*1の3人の視点が追ってゆく形を取っているのも楽しい。
注目しちゃうのが、カイが拿捕した比較的強力な航宙船「フェア・カリーン」が改装を受けて宇宙戦艦「ヴァンガード」となること!しかも後半では、ヴァッタ航宙の私掠船や他の星域の協力的な私掠船と艦隊を組み、宙賊と艦隊戦をするあたり!!ここでもカイが有能な指揮官ぶりを発揮すると共に戦艦「ヴァンガード」の活躍が胸をすくのだ。
ちなみに「フェア・カリーン」を改名するときの候補名が「ベンジャンス」「ビクトリー」「ヴァンガード」「インビンシブル」「ディファイアント」「ドレッドノート」「エンタープライズ」など。
うーむ、ムーンさん、ナニゲに英国海軍贔屓と見た!!

明日への誓い―若き女船長カイの挑戦 (ハヤカワ文庫SF)

明日への誓い―若き女船長カイの挑戦 (ハヤカワ文庫SF)

*1:このおばさん、作者自身を想わせたり。。。