氷川丸綺譚

美しい船は数あれど美人薄命の通り多くの艦船はいつか道具としての価値を亡くし消えゆくものです。
どんなに素晴らしい道具であっても技術の進歩や人の生活変化あるいは自然の猛威・摂理に従い、生まれて使われ廃れて忘れ去られて行くことは、決して必要以上に気にすることではないかもしれません。
しかし、もし、奇蹟によって唯一無二の存在になってしまった道具があれば、それはその本来の役割の上に我々が ここまでどうやって生まれ育ち生きてきたかを如実に証明する碑とならざるえないものでしょう。
そのような意味で、人間が作り出したもっとも美しい道具であり、日本においては大きさとしても恐らく最大級であり、その幾多の紆余曲折の果てに存在すら危なかったにもかかわらず多くの人々に愛されて、76年存在し続けてきた一隻の貴婦人「氷川丸」。
その彼女に捧げる物語を中世の詩人になったつもりで拙い絵と散文で綴りました。
恥ずかしながら どうぞ、氷川丸の運命にすこしでも共感して頂ければ、本望でございます。

(以上、氷川丸譚詩 序文を再掲)

氷川丸が2006年12月25日に一時閉鎖されて一年が過ぎました。
幸い、彼女は来年春に再公開されることが決定しており、今まさにお色直しの真っ最中であります。
また再び彼女が我々市民に広く公開されることは、とても嬉しいことです。

その閉鎖の折に、作成した「氷川丸譚詩」ですが、やはりもう一つ自分としては納得いっていない部分もあり、素晴らしいBGMにプラスα実際に声が入った物を作ること、資料性の高い画像の折り込みと見直しをかけたイラスト画像を再構築し説得力のある物を作りたいと思いました。そして、この丁度一周年までに作り上げたいとの宿願を果たし、今ここにその完成版を披露いたします。

この雪唄奏さんによる声優バージョン、「氷川丸綺譚」。もともとは一人称の形で語り出すというコンセプトの元に「氷川丸譚詩」と名付けたけど、今回は本当の声で語るので、もはやバラードと言うよりは本人が語るという「綺談」であると考え、しかし、その誤韻が宜しく感じなかったので、美しい物語という意味の造語「綺譚」を用いることいたしました。

時間は11分14秒

今回、机の上の交響楽さまのグスタフ・マーラーの交響曲第5番4楽章アダージェットのほうですが、原データをそのまま短縮せずに使っております。

そして大変貴重な氷川丸の動画と資料画像を提供協力を頂き、今回の動画をネット公開することにも快くご許可を頂いた、日本郵船歴史博物館さまの多大なる御協力を感謝いたします。

雪唄奏さま、ぴっころさま、そして日本郵船歴史博物館さま、また、様々なアドバイスやアイデアのインスパイアを頂いたネット付き合い関係の諸氏に 一言申し上げます。
ありがとうございました!

では、お時間が許されれば拙作を御視聴頂ければ幸いです。





http://video.google.com/videoplay?docid=2903783098444009431&hl=en





※注意:動画は特に断り無くとも、使用されて結構です。また制作者のクレジットなど書かなくとも結構です。但し「氷川丸綺譚」の著作権はfismajrこと縹渺ミノルにあり、BGMについては机の上の交響楽管理人ぴっころさま、使用されている一部の映像は日本郵船歴史博物館さまの使用許可範囲にありますことを明記致します。また、動画のダウンロードについては許可しますが、その改変などは絶対に禁じます。 縹渺ミノル 拝