「彼方への閃光」

熱射病になりそうな頭を解きほぐすために!

オリビエ・メシアンの最晩年の大交響作品!
ニューヨーク・フィル創立150年を記念しての委嘱作品で初演が1992年11月5日。しかし、作曲者はその年の4月28日に亡くなっているため初演を耳にすることが出来なかった。作曲の開始は1987年の夏頃ということで足かけ5年架けて作曲しているわけだが、それだけに作品の規模も大きく、スコアは上下に分かれB4に近いサイズで300Pページを超える。管とパーカッションが増強されたオーケストラを要求され、初演時は総勢128人だった。トゥ〓ランガリラ交響曲のみならずメシアンの交響作品は規模が大きいが、これは「鳥の鳴声」に代表される色彩溢れるオーケストレーションのなせる要求である。
曲の内容は「ヨハネ黙示録」を辿るものだが、イマジネーションはメシアン流に調理されていて、全11楽章中(1,4,6,7,10,11)の6つの楽章のみが黙示録の内容でそれ以外の5楽章はメシアン独自世界「星」「鳥」「愛」を主題に繰り広げられて、黙示録の独特な解釈を広げているかのようだ。ちなみにライナーノーツでは10楽章「神の道」が「ヨハネの福音書」からとなっているけど、7人の天使が7つの鉢を落とすというシーンの「ハルマゲドン」のシーンで日の出る方角から「王の道」が出来る部分を表していると思うのだが。。。

いろいろ長くなりましたが、やはり5楽章「愛にとどまる」と11楽章「キリスト、楽園の光」がもっとも恍惚です。特に後者は、それまでたゆたうような弦楽白玉のセリー的コード進行が、A-majarへ解決した瞬間えも知れぬ目が覚めるような快感が味わえます。全てはこの天国的解決へ向かっているというのが、素晴らしいなぁ〓〓〓!

ありゃ、こんなのが入っているよ!って思わず手にとってレジへ行っちゃいました。貴重なアルバムです!しかも超名演!
難解なこの曲をとても聴きやすくしかも美しく演奏しております。
メシアン:彼方の閃光

メシアン:彼方の閃光