第6番

銀河鉄道の夜のような可憐で美しい交響曲!!by 吉松隆

吉松隆は本当にウマイ例え方が多い。サブタイトル通り、煌めく星の宙を駆けて行く銀河軽便鉄道のような軽やかなしかも透明なテクスチャーを感じるオーケストレーション、1〓3番までの国民主義的な音楽様式から怖い音楽(諸井誠)への架け橋4番、雄大且つ祝祭的な5番、そしてこの極北の田園交響曲6番、もはや何もかもが渾然一体となってまさにSymphonyの究極の形態とその哲学的ともいえる音楽構築論、宇宙観の7番と交響曲におけるシベリウスの凄さは、この6番のような存在があるからこそ生きてくるものだ。
1楽章は、しっとりと心和む第1主題と軽やかで爽やかな第2主題がともに印象的。全体にいえることだが、木管とホルンの使い方のなんと繊細で美しいことか、切なくも胸に響いて来る。全篇、大「恍惚」
2楽章は、まるで可憐な少女が草原で踊るがごとくおずおずと音を重ねてゆくような緩除楽章で、極めて丁寧にオーケストレーションされているのが恍惚。
3楽章は、リズミカルな舞曲風とも取れるスケルツォ。ハープがきらきらと光ったり、木管群の戯れるがごとくのパッセージ、弦のめまぐるしくも動きが面白い。
フィナーレは、ロンド・ソナタ形式にとれる。これまた教会風な簡潔で可憐な主題にこれの変奏と思える第2主題が緊張感をもって対比されるが、すごいのは、提示されてから展開部に移る飛躍の仕方が。。。7番をすでに引き出している。。。この展開部が一種の変奏曲形式で、1楽章の主題も織り交ぜて、時に叙情的に、時に熱情と爆発を持ち、時に消え入るような儚げさを見せる。
再現部は第2主題は姿を見せず第1主題がいくつか変奏を伴うがやがてまったく姿は消えうせ、まるで魔法が解けてゆくがごとくそしてなにか胸の中に残してこの交響曲の夜の帳を下ろす。

5番も7番も秀演!
通して聞けるので、後期シベリウスが統一感を持って聞くことができてそういう意味でも必聴盤だ!

シベリウス 交響曲集 第5番・6番・7番
ロンドン交響楽団 サー・コリン・デイビス
6番の録音 1994/12 ロンドン ブラックヒースコンサートホール
BMGファンハウス 2004.2.25
BVCC-38305
 

本日も模型制作無し
パラボラくっつけでわらわら。。
本日のお目汚し