ピアノ協奏曲第2番

熱い暗さから輝く爽やかさへの飛翔がときめきます!

何回聴いても胸を焼き焦がすようなパトスを食らわせてくれるこのコンチェルト。
第1交響曲で大不評を味わって以来精神的に鬱のようになってしまったラフマニノフが、ダーラ博士による催眠療法で「おまえは最高!」と暗示してみたら、ころりと良くなって思わずリバウンドで書いてしまった>大成功してしまった!という泣かせるメイキングストーリーを持つ。
1楽章は、序奏、冒頭より闇の中から何か記憶をたぐり寄せるかのごとく、第1主題の基本音を奏でて、それが流れる奔流のように長く長くそして叙情的なメロディーとなってブ厚いバイオリンとビオラのユニゾン(オーケストレーションがピアノのアルペジオと弦の低音のPizzだけ、ここがまず「恍惚」!ついで軽快なピアノのソロの経過部。第2主題に移る前にちょっとしたドラマがあって憧憬を持って登り上がるメロディがまた「恍惚。。」
展開部はかなり自由で何か夢の中のようなもどかしい感じがまた良いのだけれど、再現部でMaestoso。断固たる面持ちで第一主題が形を固めてまた「恍惚」。後尾ではもはや自由自在になったピアノとオケの最高のセッションといった感じでまたまた「恍惚」
2楽章は、ピアノのアルペジオがもうチャーミングすぎてこれだけで「恍惚@おおなかいっぱい」切なく甘くそして惑いながら恥じらう乙女か姫か。。。あああ。
3楽章は、スケルツォ風で軽やか、ここの部分だけ聴いたら約5年ほども音符が描けなかったという作曲者は想像できない。活発且つ熱情を持って進むと、突如ピアノが今から始まるエンディングへのモノローグ。そしてこの曲最大の美しいメロディーが深い深い本当に深い愛情と熱意をもって弦によって歌われて「恍惚」壮絶テクニックのピアノのカデンツァはもはや復活した芸術家の羽ばたく姿を見るようでもあり、それは1楽章の姿をなぞりながら強烈な光芒を放ちフィナーレへとなだれ込んで行く。冒頭主題が堂々と流れ込んで行くときにはもう「ぶらぼー」叫ぶ体制に入っちゃうのだ!
苦難の次に来る勝利!素晴らしい勝利!

アシュケーナージがいつになく熱く語る。ハイティンクアムステルダム・コンセルトヘボウが愛情を持って演奏。