製作記#1

ううむ。。。

まず最初に当たったのはJ.Roberts著「Battlecruisers」とコンブリックキットの図面。
でさっそく突き当たった問題が、全長
世界の艦船増刊「イギリス戦艦史」によれば、全長214.6m
ところが、コンブリックの図面には(ロシア語で恐らく)全長214.7M
この図面の下には英語の表記があってfull load Dim.704×ーー
「Battlecruisers」によれば、Length(oa)704ft
コチラが恐らく正しいだろうから704[ft]*0.3048[m/ft]=214.5492[m]
∴コンブリックの214.7Mは何かよく分からない=不採用
1/700スケールでは214.6mも214.7mも変わらないけど。
で、コンブリックの図面をスキャンしてVectorWarks10.5で1/700に変換する。
ここでまた引っかかることが。
英艦はいわゆる衝角・喫水線以下が艦首の突き出した形なのだが、コンブリックの図面はWLより上しか描かれていない。
ということで水線長が分からないとスケールのアジャストができないのに、データはみんな全長。
そこで「Battlecruisers」に付属しているH.M.S.Qeen Maryの1/250大型図面で艦首の部分だけ測定しこれと近似とすることにしてひもといてみて驚きの発見?!
この図面は左上にしっかり縮尺:1/250を謳っているが、何と1/285.7だったのだ。orz
何で気が付いたかと言えば、側面図の下にあるフレーム番号とft単位及びm単位のスケーリングが描かれているので念のためこれを定規で当ててみたら、10mは40mmに成らねばならぬのに35mmしか無いのだ。
前回「大鷹」の解析をしていたときの経験が図面のチェックをわらしにさせたのだが、本当に自分の目で確かめないとイケナイのだな、痛感してしまった。御大といえどもこういった製本ミス(だよねぇ。。)のチェック漏れはあるのだ。
で、話それたけど、この図面によると水面下の突き出しは約57cm。
ということでこの値を参考にすれば、タイガー水線長は約214m。
これに合わせてコンブリックの1/1000縮尺図面をCAD上で展開し1/700の図面を作る。

御覧の通りキットは忠実にこの図面を再現している。
また、ライオン級タイガーは舷側にバルジのような張り出しがない極めてプレーンな断面を持つのだが、ちょっとだけ最上甲板に向けて浅い弧を描く傾きを持つところもまできちんと表しており、スタイルの拘りもスゴイ。
ただ、艦首のみ少しアレで、

のように、図面と比較しても垂直に立っている。これは実艦の写真印象からももう少し傾けたような精悍な形状に直したい。具体的には、吃水線以下を張り増しして整えるのがベストであろうと結論した。
ということで、また明日。

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