組曲「惑星」(大オーケストラの為の)とオマケの冥王星(マシューズ作曲)

火星人襲来と来ればこいつしかない!

あまりにべただけど、やっぱりこれだよ。*1
構想を始めたのが、1913年、作曲は、1914年から1916年、初演は1918年9月18日非公開で4曲のみ、全曲は1920年11月7日。WW1のどさくさは、ホルストに発表の機会を失わせ、自身はその発表に慎重だったようです。
この頃と言えば、ウェルズは既にSF「宇宙戦争」を発表していたし、コナン・ドイルが「写真」に妖精がいるとお祭りしてたり、アインシュタイン特殊相対性理論1915年16年には一般相対性理論、と科学が神秘性を帯びていた時期。
第1曲「火星」戦いをもたらす者
吹奏楽でチューバやっていて、この「ダダダダンダンダダダ」ってのがもう最高に燃えました。
クライマックスでメロをベルアップしたトロンボーンと一斉斉射!!
これとローマの松 アッピア街道の松はもう最高最高!!
ああ、どっかの市民バンドにでももぐりこもうか。。
あとオルガンが派手な録音好きだな。
と、一人うっとうしくノスタルジーにはまりまくってましたら、いつのまにやら極めて美しい
第2曲「金星」平和をもたらす者
ロマンティックで甘いメロディー、そして神秘的な音楽。イギリスの安らかな自然風景にも聞こえる。
平和な一日。
第3曲「水星」翼のある者
ちょろちょろと蠢いてやがて颯爽と滑り出すように駆けて行く。太陽系で最も小さい惑星らしくもっとも短いけど、ホルストのオーケストレーションの凄さがにじみ出てる。
第4曲「木星」喜びをもたらす者
どうどうたるいかにも神の中の神「ゼウス」を表す輝かしい音楽。なかでも中間部の「祖国よ、私は誓う」は、疲れて孤独で寂しいときにはこれを脳内演奏しながら歩いて頑張る!(笑)エルガーの威風堂々とならぶ大英帝国らしい哀愁と栄光の曲。コーダで再現するとき壮大な感じを特に受けるが、ちょっとホルストさん、熱くなってます。
第5曲「土星」老いをもたらす者
ヤヌスを表すと言うことで、くらーーーい。でも暗い導入を経て、やがて陰鬱な葬送行進曲が始まるが、これがね、なかなか格好いいんだな。そして、段々盛り上がってドッかーんってカタルシスが来る。最後は葬送の鐘の響きを伴って再び暗闇へ戻って行くが、金星とおなじくなんとも安らぎ感が恍惚。
第6曲「天王星」魔術を使う者
「水星」と並べて素晴らしい管弦楽法の妙を聞くことが出来るスケルツォ的な曲。これも途中でオルガンがビリビリって入ってくるのがかっこいい。SFっぽさ一番。
第7曲「海王星」神秘なる者
SFのエンディングにもっともふさわしいと思われ。女声合唱のヴォカリーズの幽玄な響きの奥には、水彩の名画を見るような美しさを満々と湛えているようだ。

そしーて、オマケのC.マシューズ「冥王星

。。。
ま、あまり気にしなくても良いかも^^;。。。。

本家の冥王星もエッジワース=カイパー・ベルト天体の親玉として、どうも惑星としての地位を脅かされているようだが、ここまで引っぱたんだから、時効です、もう、惑星としておけばいいジャン、と無責任に思ったり。
ちなみに邦名:冥王星の名付け親は野尻抱影先生なんだよね。じーん。

なかなかイイ演奏でつ。冥王星もあるでよ。


にてサンプル15分聴けます。

NAXOS
ホルスト:組曲「惑星」/神秘のトランペッター Op. 18(ロイヤル・スコティッシュ管/ロイド=ジョーンズ)
Royal Scottish National Orchestra
David Lloyd-Jones, conductor

*1:ごそごそ、ありゃーB&Hのスコアどこかへいっちゃたよぉ!