ハープと管弦楽のための小協奏曲 作品39

小さな小さな佳品

ピエルネ38歳1901年の作品でベルギーのハーピニスト、アルフォンス・J・アッセルマンの為に書かれたもの。単一楽章15分ほどのコンパクトでラプソディックな美しい小協奏曲。ピエルネのロマンティシズム溢れる音楽はハープにふさわしいもので、リズムの端正さと和声の柔らかい品の良さ、オーケストラもハープも相競うという感じではなくまるで慈しみ合うかのような双方が愉しめるような配慮の行き届いた作品だと想います。
全体は3部分に分かられ切れ目無く続くのですが、いわゆる3楽章形式を模したものと言うよりバレエ付随音楽的でハープを踊り手に見立てた一種の舞踏曲のよう。導入も含めて緩急緩急緩という感じで作られています。ゆっくりとしたD♭の連呼からはじまり、ハープがひとしきりグリッサンドを含むカンデンツアを奏でるとD♭-G♭-B♭-E♭という音形のライトモチーフが提示されこれは全体を通して極端な変奏は伴わずに各所に現れてきます。やがて速度を上げアレグロモデラートでモチーフを積み上げて厚みを増して山を作るとハープのカデンツァ、そして一くさり終わると緩やかなアンダンテになり恐らくここが本曲の白眉ですが、D♭-G♭-B♭-E♭モチーフで情感たっぷりにハープが歌い上げて短いこの部分を終わり、直ちにアレグロ・スケルツァンドの急部分へ。ここでもD♭-G♭-B♭-E♭の変奏を繰り広げて華やかに拡大、どこか憧れをもってアンダンテとなって比較的慎みやかな雄渾さをもって山を作るとハープが短くD♭-G♭-B♭-E♭モチーフを歌いげるとオーケストラはトゥッティー・フォルテッシモでフィナーレを迎えます。
ハープの為の作品としてこの曲もまたもっと聴かれたい曲だと想います。

ロドリーゴもなかなか!さわやか!
ビバ!舞さま!^^;

竹松 舞「コンチェルト・セレナータ」
ロドリーゴ セレナータ協奏曲
ピエルネ ハープ小協奏曲
飯森範親指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
録音:2001年8月8〜10日 横浜みなとみらいホール
COCQ-83580  税込み\2,940