第8番

星空の下の花園

そのうち御紹介しようと思う本に「星の牧場」という本がある。詳しくはふれないが、ここでジプシーが戯れる花園は、まさにスラブ民族的で絵で言えばミュシャの「ヒヤシンス姫」のポスターのようなファンタジーの世界。
そう、通称ドボ8は、まるで「星の牧場」の花園のような音楽。ゆったりとした美しいメロディーの宝庫、楽しくもどこか侘びしさを持つ各楽章は、どこから聴いても恍惚。冬の寒空のしたオリオン、おうし、大犬小犬、ふたご 四季の内でももっとも美しいこの時期、ラジカセでこの曲を聞きながら天体観測した少年の日を思い出します。#寒いのに物好きだと言うかもしれないが、寒さに耐えながら星空を観るのは格別でファンタスティックな世界だった!
話が脱線しそうなのでもとい。この曲では、ドボルザークの作曲技法が円熟していることが如実に感じられ簡明に聞こえるが、スコアは結構複雑なポリフォニックでJSバッハのような端正な譜面。1楽章は構成も複雑で幾つもの主題とその分解された動機をソナタ形式に添わせる形になっていて、分かりやすさに複雑さを持つアール・ヌーボーの装飾品のよう。2楽章は変奏曲的なソナタ形式で弦楽のさわやかな導入部からはじまり明るくのびやかな変奏、暗い響きでドラマティックな展開を感じさせる変奏(ここのホルンの吹き上げる所がGOOD!)ふたたび明るい日ざしのようなコーダ。3楽章は明解な三部形式のワルツ。泡立つピツィカートと早いパッセージの木管楽器で浮遊感ふわふわ。中間部はすぐに覚えられ心に残るメロディで次の4楽章のファンファーレを暗示させます。そして4楽章は明るく楽しい主題をボレロもまっさおに繰り替えし繰り替えし2回の爆発へ盛り上げてゆきます。フィナーレの暴走はもう誰も止められません!恍惚!

ノイマンチェコフィルもスキなのだが、こちらのほうが洗練されていて「星の牧場」的。。。
サウンドもクリア!
8&9でオトク!!