「戦艦大和復元プロジェクト」戸高一成

相次いで発刊される戦艦「大和」もの

今年は戦艦大和が密かに盛り上がりを見せそうだ。誰もがその名を聞いたことがあるであろう、第2次世界大戦に建造された世界一大きな軍艦であり当時の最高技術を駆使して作り上げられた兵器。しかし、時代は大艦巨砲主義ではなく航空力による戦いが勝敗を決めるようになって、この美しくも巨大な構造物は、終戦間近の昭和20年4月7日14時23分九州坊の岬沖に圧倒的な航空戦力の米軍にあえなく撃沈。約3000名の兵士を道連れに海底深く眠って早くも60年の月日が経った。
この戦艦大和、終戦時にそのほとんどの資料が焼却されてしまい、実は実態が長年よく分からないものでした。しかし、艦船研究家たちの地道な研究と1999年8月、TV朝日による沈没した「実物の大和」海底調査で、かなりの実態が明らかになってきました。これは、ほとんど考古学ですね。その集大成となるべく広島県呉市(大和の建造されたところ)にこの度「大和ミュージアム」が落成。

この本は、そこに納められた実物の1/10という全長26m重さ30tというこれまた「世界一大きな戦艦模型」の作成監修に携わった筆者のドキュメントです。
本物の大和と同じように工期も短くしかも空前絶後の大きさ、恐竜の骨格復元にも似た考察と考証、試行錯誤、その多くの苦労が伝わります。
やはり、「大和」をどんな形にせよ形にするのは、大変なようです。
見てみたいです。

戦艦大和復元プロジェクト

戦艦大和復元プロジェクト

それから、モデルアート社から「1/10日本海軍戦艦大和大和ミュージアム』に甦った日本海軍の象徴」というムック本も刊行されています。こちらは、模型的な視点で写真多数です。一緒に見る事をおすすめ。 ttp://www.modelart.jp/ ついでにこちらもどうぞ!