第7番「光の天使」

人気出すのには題名がとっても大事ですね。

フィンランド人のラウタヴァーラはシベリウスの絶筆の年に生まれたらしい。そのせいか、そのミームを受け継いでいる響きをこの「光の天使」に聞くことができます。1楽章は上下運動を繰り返す弦の波の中にこの曲をまとめる循環主題をグロッケンシュピールが奏でます。「牧神の午後への前奏曲」のような響きが印象的。第2楽章は循環主題を踏まえた音響のぶつかり合い。3楽章は「夢のように」と題された文字通りヒーリング系音楽。でもあんまり眠くなりません。フィナーレはホルンの咆吼に始まり1楽章を何回か思い起こさせるなか、ひとつクライマックスを築くと静かに瞑想の宇宙へ。
総じて、ハリウッド映画的な響きでシリアスな音楽をつむいでおり、グレツキ「悲歌のシンフォニー」に続く「世界的ヒットの交響曲」??になったのもわからいでもありません。fismajar的には1楽章末尾のトロンボーンの上昇してゆくレジタティーボが恍惚。。

マイナーな感じのこの曲、じつわ、国内版CDが3枚くらいあるです。
私は、いつものように廉価なNaxos、美しい響きと名演だと思う。

Naxos Japan

ラウタヴァーラ
RAUTAVAARA
交響曲第7番「光の天使」/天使と訪れ
(録音: 2001年4月 スコットランド、グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール)
ハンヌ・コイヴラ(指揮)ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団