弦楽四重奏曲

若くしてこの完成度とわ!

弦楽四重奏曲というジャンルは、くだけた感じの物が少なくて、クラシック音楽の数あるジャンルでも取っつきにくさ120%のものだけど、このラヴェルの四重奏曲はロマンティックなメロディー、変化のある和声、リズムのおもしろさ とアピール度のほうが200%あるから、とっつきにくさを上回るお奨めの曲だ!
1楽章は能動的かつ躍動的な美しいフリギア旋法の第一旋律、のびやかで流れるような洗練されたヒポフリギア旋法の第二旋律が恍惚へと誘ってくれます。提示部が変化を伴ってこの二つの旋律で紡がれてゆくのですが、規模が大きいのでたっぷりとこの美しい旋律を楽しめる。これ書いているときラヴェルさん、ノリノリだったろうね!楽しい部分。短いけど濃い展開部を経てオーソドックスに再現部からコーダへ、万華鏡のように変化して終わりますと、続く2楽章はピツィカートで舞曲風に始まって1楽章の第二旋律の変化した主題を展開してゆきます。3楽章では瞑想的なビオラからはじまる主題に恍惚。。。4分音符44個のおよそ遅いテンポがこれを挟む前後楽章と強い対比で印象を深くしている他、途中1楽章の各主題の回想もありこの楽章が実はこの曲全体の強い統一を図っていることを感じさせます。終楽章8分の5拍子という変拍子で早いパッセージでユニゾンも多く難易度高い音楽。疾走してゆく感じがまた恍惚!
春の夜更け一人で聴くとなんか詩人になれます!
これ、27才で作ったなんて信じられん。。。。

一説によるとアルバンベルク弦楽四重奏団のアルバムがベストらしいのだが、
聴いていないので、愛聴盤をご紹介。録音旧いが、全然音良いし、
なによりも優しい響き、メリハリ、ダイナミクス、高度なテクニックでは、
古今東西の名手たちですし、ファンです。
1987年より活動停止が惜しまれるグループです。是非一聴を!!
ドビュッシーの四重奏曲とのカップリング!こちらもお奨め!
ラヴェル弦楽四重奏曲
ドビュッシー/ラヴェル:弦楽四重奏曲
    *  アーティスト: ラサール弦楽四重奏団, レビン(ウォルター), メイヤー(ヘンリー), 
   カムニッツァー(ピーター), カースティン(ジャック), ドビュッシー, ラヴェル
    * 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
    * 発売日: 1997/02/05
    * メディア: CD