序奏とアレグロ

ハープと木管、弦合奏というえも知れぬ美しい音楽!

室内楽続きですが、大曲ばかり聴いているとこういった内向的な音楽に餓えてしまうんです。「序奏とアレグロ」はそんなときに瑞々しい心持ちにさせてくれる逸品。作曲は1906年ラヴェル31歳の時。ここでちょっとハープの講釈。。今で言うアイリッシュハープのようなシンプルなハープを原点に近代まで改良が加えられ半音階も使えるようになったのは1800年代初頭にペダル式ハープになってからで、これはハープの下部に7個のペダルが付いていてこのペダルを踏むと弦の調弦が上中下半音筒づつ変更されて、いわゆるグリッサンド奏法ができるわけ。しかし、半音階の表現には限界があったため2台のハープをクロスさせたいわゆるクロマティックハープを作ったけど、あんまり大きくて(かっこわるいし)今ひとつ主流になれずこちらは消えた。。。ということで、おりしも1900年初頭に、このクロマティックハープが売り出されたとき、楽器メーカーがドビュッシーに依頼してその優位性を明らかにしようとしたのが後述すると思うけど「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」。そして対抗してペダルハープのメーカーが作曲依頼したのが、今回ご紹介の「序奏とアレグロ」。
と、なにやらキナ臭いお話の中でできてしまったこの2曲だが、いやぁ〓商人どもとは無関係に双方とも楽しんで作られていてめちゃくちゃ美しい!
正式名称「ハープと弦楽四重奏、フルート、クラリネットのための序奏とアレグロ」は、レントの優美で物憂げなフルートとクラリネットの重奏による舞曲的な開始に、ユニゾンでストリングスが3連符を含む憧憬と喜びに満ちた応答主題が対比されてすぐハープがきらめくグリッサンドで天空に舞い上がります。と、もう始まりから魅力的!恍惚!!
あとは曲を聴いて頂くとして(だって全部表現していったら相当な文字数になちゃうもの。。。)フリギア旋法を用いてハープがもうこれでもかこれでもかとグリッサンドで万華鏡のような恍惚の世界を繰り広げてくれます!
実際のコンサートで一度は聴いてみたいッ!ハープは竹松舞さま希望。。。

とりあえずこれまた定番!
リリー・ラスキーヌの妙技に脱帽!そしてビアノーバの暖かい演奏!

フランス近代室内楽曲集

フランス近代室内楽曲集

  • アーティスト: ランスロ(ジャック),ヴィア・ノヴァ四重奏団,オンニュ(ポール),アンドレ(モーリス),ラスキーヌ(リリー),クルシエ(ジルベール),フランス管楽五重奏団,ポスト(ジャン),ピエルロ(ピエール),ドゥリュアール(アンリ),マリオン(アラン)
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1998/09/25
  • メディア: CD
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