「楽園通信社綺談」佐藤明機著

なにか心をかき乱す魅力にくらくら。。。

どのような場合でも時間と空間を高密度で描き積み上げて作品として完成されるとひとつの共通項が導かれる。それは、通俗であっても一種の芸術的な域に達したものに共通する「美」だ。大工場のプラント配管、軍艦の構築美、電子器機の基盤、ゴシック建築、宮大工の造作などなどワクワクする美しさ、壊れそうな危うい感じ。
そこへ摩訶不思議でシュールな物語と魅力有るちょっとエロティシズムを感じさせるシチュエーションとキャラクター。
なるほど復刻を願う声が上がるだけの作品です。
続いて「ビブリオテーク・リブ」も11月刊行予定と後にあり。アマゾンさんはまだ出てない様子。要チェックだわさ。

楽園通信社綺談 (キュンコミックス)

楽園通信社綺談 (キュンコミックス)


余談:
日本の漫画に関する限り世界的に見てもこんな豊穣な文化は他の国に無いものだろう。(良くは知らないが)
こんな文化はどこまで進歩して行くのだろうか?

絵師さんは何万人いらっしゃるのだろう?その中で着目されずに(着目されても一時的なものであったり)して一抹の泡となって消えて行くものは本当に星の数ほど有るのだろう。
私の先輩でも素晴らしい絵師さんが居たけど、彼は卒業するとき全てのスケッチと作品原稿の半分以上を私に預けていったが、消息は不明だし、今でもお会いできればと思う。ふくやまけいこに影響されているけど、独特な味わいを持つ彼の作品を未だに綺麗に取ってあるが、このような宝物を私一人で抱えて良いものなのかどうか。。。。
星の数ほど、の、その星の小さな輝き。

想い出とはすべからくそのようなものなのかな。
最近またイラストなど描いている自分は「一体何を考えているのだろう」自問自答。
不思議な縁ではある。