「非情の海」N・モンサラット

海に浮かぶクダモノトケイソウ

いわゆるフラワー級コルベットは、とってもイギリス人の戦争体験者@海軍にポピュラーなモノらしい。なにせ、英海軍だけでも144隻以上の量産された船(他軍も含めると250隻以上)だもの。その名前は、「フラワー」花の名前。だからへんなのもいっぱいある。アネモネバターカップ、クロッカス、ダリア、ハイビスカス、ヒアシンス、ミモザ、ポピー、プリムラ、サンフラワー、チューリップ、ストロベリー。。。確かに船が増えると名前付けが大変なのだが、なにか、戦う艦船としては、迫力が。チューリップとストロベリーに攻撃された、撃沈されたとかいっても海面下のUボート乗りには、苦笑モンだったろうねぇ。(^^;
fismajar的には、アベリアとかフェンネルコリアンダーなどがHITですけど。
ハーブ料理みたいだし。あと、マニアックなのは、エリカとかロベリアか。。。
花に詳しい人がいたんだろうね。
と、脱線しちゃいましたが、「非情の海」は艦長J.G.エリクソンがHMSコンパス・ローズに始まって船団護衛、Uボートとの戦いを通し、乗組員と一体になりながらも苦しい勝利を収めてゆき、その後フリゲート「サルタッシュ」へと乗り継いでなお戦いに赴くというお話。エリクソンとの出会いと友情を育てる中でジャーナリスト・ロックハートが素人同然の市民が一人前の兵士となっていく過程とか戦争の理不尽さに葛藤しながらも、恋に陥ったり。
モンサラットの淡々とした筆致がとても効いていて、上質な戦争フィクションとなっていて「恍惚」。
ただ、本文中で「サルタッシュ」は河級となっているのは、語られているスペックからだと作者の勘違いでもし備砲3門、ポンポン砲1基、エリコン1基で300フィート、タービン25ノット、乗員160人だと、キャプテン級後期型(でもディーゼルなんだよね)になってしまう。
重箱の隅突きになるけど、備砲2門、速力20ノットが河級なんだよなぁ〓。
と、マニアックな悩みに一人おちいるのであった。。。(笑)

文庫でも最近出てますよ。

非情の海

非情の海