交響曲 第1番

新譜が届いたのでとりいそぎ書きます!

拘りのウォルトン先生の最高傑作で古今東西でもっとも格好良いフレーズ、楽想の交響曲!世界で一番カッコヨイシンフォニー!
イギリスの作曲家はどちらかというと晦渋な部分を持つ傾向があるが、ウォルトンはその辺も保ちながらも華やかさ、技巧の精巧さ、響きの豊かさ、そして構築性の完成度、もうR.シュトラウスよりもわたしゃ上じゃないかと思ったりしております。
で、1番のシンフォニーは、1932年に作曲を開始し35年11月にようやく完成初演を果たしました。それにしても1902年生まれのウォルトンですから若干33歳でこれだけの作品をものにしているとは、驚きですね。。
1楽章アレグロ・アッサイは大変緊張感溢れる不安定な時代を象徴するかのような音楽。ソナタ形式ですが、自由な拡大縮小でやや変奏曲的な感じを受けます。ブラームスの4番のパッサカリア?のような印象。スコッチ・スナップというタッッタタッタタッッタタッタッタタタタタというカナリ前ノリのリズムで性急な、でも疾走感が恍惚。そしてところどころで爆発するがごとき金管の強奏で本当にカッコイイです。個人的には後半でチューバが第一主題のモチーフを重厚かつ堂々と吹き鳴らすあたりから最後が大好き!
2楽章プレスト・コン・マリーティアは大変楽想に富んだスケルツォ。
しかけがいっぱい散りばめられていて、しかもリズムも不規則に組み合わされているせいか不安感いっぱい。それにしてもよくこれでもかというくらいオーケストレーションの技巧を見せつけてくれます。オケは大変だ!
3楽章は、暗鬱極まる救いようがない暗い音楽。楽想記号もAndante con Malinkconiaで「歩くような速さで”憂鬱に”」(^^; まんまじゃん。
ショスタコービッチの5番3楽章を彷彿とさせる瞑想的でしかし分厚い音響で限りなく絶望的な気分を味わうことが出来ます。前後楽章との強烈な対比を生んでいます。フルートがゆっくりと歌い出す憂鬱なメロディーは、でも、限りなく美しく優しい。ウォルトンが鳴らし放しの作曲家ではなかったのがよくわかります。楽想的には例のヴァイオリン協奏曲に近いものであるいは共通するものを感じます。
4楽章はマエソトーソ!
おおらかに輝かしい駆け上がりの強奏で始まり、雄大で爽やかな美しいパノラマを聴く者に与えてくれます。二つのフーガによって全体は構成されますが、その疾走感たるや今までの憂鬱な音楽を一掃して勝利へまっしぐらと言った感じ!ここでも豊かな楽想色んなフレーズが入り乱れて万華鏡のように展開、12分ほどの時間はあっという間に過ぎて行くのにお腹いっぱい!そしてエンディングは決然とした勝利宣言で終わります。この爽やかさ!恍惚!
忙しい時に「力」が欲しいときにこれを聴くと良いかも!

ロンドン交響楽団のライブ自主製作盤の新譜!
コリン・デイビスとの最近の録音は最高に面白い!
タメがぐっときまつ。


Walton: Symphony No. 1/ C. Davis, LSO
サー・コリン・デイヴィス(指揮)、ロンドン交響楽団
2005年9月23日、12月4日;ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ニール・ハッチンソン&ジョナサン・ストークス
輸入盤 CD
発売日: 2006/04/18
レーベル: LSO LIVE