第7番(ハース版)

雪解けのアルプスのようにたたずむ大曲!

ブルックナー、そろそろいってもいいかなと。この曲はブルックナーの交響曲の中でも一番明快で清澄な空気を漂わせていてベートーベンの7番やブラームスの2番の明るい雰囲気にも似たものがあるような気がします。ほかの交響曲よりも深刻さが薄めで本当に自然体で聴き臨むことができて、包み込むような優しさに溢れています。
1楽章はレンジの広い音程を持つ幸福感たっぷり広がり感タップリの第1主題でいきなり恍惚!やや控えめなダイナミックスレンジのオーケストレーションが効いてます。2楽章はワーグナーを悼むアダージョでその頭文字Wをフレーズとして尾部に埋め込んでいる鎮魂歌。でもあまり涙を流す悲愴な感じではなくここもごく自然な畏敬の念という感じで中間部で子守歌のような平易な主題がまた恍惚!安らぐです。ここは結構たっぷり聴かせてくれます。3楽章は舞踊曲。あまり荒々しくないけどいつものブルックナー的スケルツォ?です。この主題がどうもベートーベンの7番の1楽章主題に似ているように感じちゃうんだけど、。。。。空耳ですか?。。。。そうですか・・・・。拍子こそ2/2のフィナーレもいきなり舞踏的で跳躍する主題がチャーミングですが、そのまま軽く行かないところがブルックナーらしくここぞと金管が咆えたりでもすぐ幸福感が戻って来たり繰り返してああこの曲もやっぱりブルックナー的運命交響曲なんだな〓〓って。明暗のコンストラストが一番はっきりしていてしかも平易にならない精神性も感じる、全体通して70分ほどの尺があるけど割と短く感じる9曲のシンフォニーの中でも一番先にお奨めしたい曲です。

紳士的な雰囲気のブロムシュテットは、案外ブルックナーとかやると熱くてかっこいい演奏をしてくれます。
N響をふってこの曲をTVで観まして結構惚れちゃったっけ。。
ドレスデンもいい音。録音はまずまずな感じかな。
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番